第76回 カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞
第96回 米国アカデミー賞 国際長編部門日本代表
第36回 東京国際映画祭 オープニング作品
ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースと日本を代表する俳優 役所広司の美しきセッション。
フィクションの存在をドキュメントのように追う。
ドキュメントとフィクションを極めた
ヴェンダースにしか到達できない映画が生まれた。カンヌ国際映画祭では、
ヴェンダースの最高傑作との呼び声も高く
世界80ヵ国の配給が決定。
↓↓↓ヴィム・ヴェンダース監督からの直筆サインいただきました!!↓↓↓
■ストーリー
こんなふうに生きていけたなら
東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、
静かに淡々とした日々を生きていた。
同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。
その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、
同じ日は1日としてなく、
男は毎日を新しい日として生きていた。
その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。
木々がつくる木漏れ日に目を細めた。
そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。
それが男の過去を小さく揺らした。
東京渋谷の公衆トイレの清掃員、
平山は押上の古いアパートで一人暮らしている。
その日々はきわめて規則正しく、
同じことの繰り返しのなかに身を置いているように見えた。
ルーティンは孤独を遠ざけるものかもしれない。
けれど男のそれはどこか違ってみえた。
夜が明ける前に近所の老女が掃除する竹ぼうきの音が響く。
それが聞こえると男はすっと目をあける。
少しのあいだ天井をみつめる。おもむろに起きあがると薄い布団を畳み、
歯を磨き、髭を整え、清掃のユニフォームに身をつつむ。
車のキーと小銭とガラケーを
いつものようにポケットにしまい部屋をでる。
ドアをあけて空をみる。
スカイツリーをみているのか。光を見ているのかはわからない。
缶コーヒーを買うと手作りの掃除道具をぎっしり積んだ
青い軽にのって仕事へむかう。
いつもの角でカセットテープを押し込む。
カーステレオから流れてくるのは
The Animals のThe House of Rising Sun。
いくつもの風変わりなトイレを掃除してまわる。
その日はひょっとすると声をひとつも出していないかもしれない。
掃除を終えると夕方にはあのアパートに戻る。
自転車に乗り換えて銭湯へゆき、
いつもの地下の居酒屋でいつものメニューを頼み、
そして寝落ちするまで本を読む。
そしてまた竹ぼうきの音で目をさます。
男の人生は木のようだった。
いつも同じ場所にいて動かない。
同僚のタカシのいい加減さをどうして憎めないのか。
いつものホームレスの男が気になる。
清掃のあいまに見つける木漏れ日が好きだ。
フィルムを現像してくれるこの店はいつまであるだろうか。
銭湯で出会う老人が愛おしい。
古本屋の女性の的確な書評を聞くのも悪くない。
日曜だけ通う居酒屋のママの呟きが気になる。
今日はあいにくの雨だ。それでも予定は変えない。
そんな彼の日々に思いがけない出来事が起きる。
そしてそれは彼の今を小さく揺らした。
■ロケ地紹介■
【台東区立隅田公園(桜橋) 台東区今戸1-1】台東区内でも多くの作品のロケ地として誇る隅田公園の桜橋。
主人公平山(役所広司)が毎日通る場所として劇中に頻繁に登場します。
撮影は2022年10月に何日にも渡り行われました。
ロケ当日はとても綺麗な夕景を背景に映されています。
【伝法院通り商店会(地球堂)台東区浅草1-39−9】
主人公平山(役所広司)が通う浅草の古本屋「地球堂」
実際の地球堂ほぼそのままを使用していますので皆さんも是非行ってみてください!
【浅草地下商店会(福ちゃん)台東区浅草1-1−12】