盗んだのは、絆でした。
高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。
社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。
台東区内では昨年末に朝日信用金庫合羽橋支店で撮影が行われました。
朝日信用金庫さんには通帳などの小道具作成のご協力のほか、実際に勤務されてらっしゃる行員さんにも撮影当日ご出演いただきました!!
(こちらはご出演いただいた朝日信用金庫合羽橋支店の女性行員の皆さんと是枝監督とのスナップショットです。)
そのほか区内ではかっぱ橋道具街にあるオクダ商店、橋場にある駐車場でも撮影が行われました。
不完全だけれど愛すべき「家族のかたち」。ぜひ劇場でご覧ください。